2019/08/17

住宅ローンを滞納するとどうなる?「起こり得るリスク」と「するべきこと」期間別まとめ

 

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目次

  1. 住宅ローンは超金利時代まっ只中
  2. 個人再生理由第2位は、「住宅ローン」という現実
  3. ■滞納期間:1日~1週間 良くは無いが、急いで払えば情状酌量の余地アリ
  4. ■滞納期間:10日~1ヶ月 借入金融機関からの催促が始まる
  5. ■滞納期間:~2ヶ月 金融機関が本気の要求を示す「督促状」
  6. ■滞納期間:~3ヶ月 法的手段一歩前の「催告状」
  7. ■滞納期間:~6ヶ月 マイホームを手放さなければいけない段階に差し掛かった
  8. ■滞納期間:~8ヶ月 競売を免れる最後の段階
  9. 金融期間からの連絡を軽く見ない

住宅ローンは超低金利時代まっ只中

メガバンク各社が0.65%という、かつてない住宅ローン超低利金利を掲げています。

「今ならローンが組める!」ということで、多少無理をしてローンを組み、夢のマイホームを購入された方も多いのではないでしょうか。

 

国土交通省のデータを見ると、平成27年新規で住宅ローンで借り入れを行った人は798,761件。まさに時代は、超低金利時代と言えるでしょう。

 

自己再生理由第2位は「住宅ローン」という現実

しかし一方で、債務整理した人の中で住宅ローンが原因の割合がどの程度がご存知でしょうか?

以下日本弁連での調査から意外な結果が分かりました。

【図】個人再生の原因となった負債原因

負債原因 件数 全体のべ%
(人数比率)
生活苦・低所得 253 35.73%
住宅購入 191 26.98%
浪費 遊興費 117 16.53%
給料の減少 113 15.96%
その他 110 15.54%
事業資金 100 14.12%
負債の返済(保証以外) 97 13.70%
生活用品の購入 90 12.71%
病気・医療費 78 12.15%
失業・転職 113 11.02%
ギャンブル 78 11.02%
保証債務 73 10.31%
教育資金 64 9.04%
クレジットカードによる購入 43 6.07%
第三者の債務の肩代わり 28 3.95%
投資(株式、会員権、不動産等) 24 3.39%
冠婚葬祭 6 0.85%
名義貸し 4 0.56%

※2014年破産事件及び 個人再生事件記録調査 日本弁護士連合会
 消費者問題対策委員会 個人再生事件記録調査 より抜粋

これの表をざっくり説明すると”2014年に債務整理した人の理由一覧”の割合です。債務整理にも自己破産や自己再生など幾つか種類がありますが、参考情報としては十分でしょう。

住宅ローンで破産した人は、「生活苦・低所得」に次ぐ第2位全体の約27%にも当たる結果となっており、無理な借り入れ状況次第では誰にでも起こり得ると言えます。

 

滞納期間ごとに「起こり得る」「するべきこと」をまとめてみた

今回は、「既に滞納してしまっている」というシチュエーションを基に、その滞納期間毎に行うべき対応をまとめてみました。実際に私自身が延滞している訳では無いので、引用も多くなりますが、実際に遅延した人の声なども抜粋してみましたので参考になると思います。
また、あ
くまでデータからの推測ですので、対応内容を保証するものではありませんのでご了承ください。

では行ってみましょう!

■滞納期間:1日~1週間の場合 

起こり得ること:遅延損害金の発生
するべきこと:すぐに借入金融機関に一報を入れ、一日も早く月額を支払う

良くは無いが、急いで払えば情状酌量の余地アリ

「やべっ!」「しまった!」うっかり銀行口座を給与振り込み口座とは別で複数に分けている場合、残高不足などで起こり得る事態ですね。

 

給与受け取り口座とローン返済口座を管理しやすいように分けており、たまたま引き落とし日の前に入金することを忘れたときは1日延滞したことになりました。(20代/女性/専業主婦)

一度だけあります。団信保証料が年1度あることを忘れた。翌日すぐ気付いたので電話連絡し、次の日に引き落とししてもらった。(50代/女性/専業主婦)

引用:毎月の住宅ローン、延滞する人っているの?|住宅本舗

皆さん気付かれたタイミングで銀行に連絡を入れるなど、迅速に対応をして大事に至ってはいないようです。また、場合によっては遅れた日数分の遅延損害金が発生するかもしれません

そして、それ以上にあなたの信用情報に傷がつく可能性もあるので、万が一払い遅れた際には極力迅速に支払うようにしましょう。

■滞納期間:10日~1ヶ月  

起こり得ること:借入金融機関から催促通知が届く
するべきこと:借入金融機関に今後の支払い計画の相談に行く

借入金融機関からの催促が始まる

支払い遅れを放っておいて一ヶ月もする頃、借入金融機関から支払いを促す通知が書面で届きます。恐らく電話などあらゆる手段で同様の連絡が来ると思われます。
クレジット決済やショッピングローンと一緒ですね。

支払うことが出来るのであれば、すぐにでも振り込むべきですが、それが難しい場合は早めに金融機関に連絡してください。状況を説明し、改めて支払い計画の再考をする必要があります。

 

■滞納期間:~2ヶ月 

起こり得ること:借入金融機関から「督促状」が届く
するべきこと:借入金融機関に今後の支払い計画の相談に行く

金融機関が本気の要求を示す「督促状」

決して大丈夫ではありませんよ!笑

ここからはより強い催促が始まります。まずはこの一線を超えた段階で、金融機関から「督促状」が届きます。

督促状とは住宅ローンの返済を求める要求の強い請求書となります。金融機関によっては、同じ内容の督促状が再度送られてきたり、改めて「最終督促状」が送られてきたりする場合もあります。住宅ローン等の滞納が続いた場合、金融機関が競売申立て等の権利を行使するための前提となる書類です。

引用:一般財団法人 全国住宅ローン共済・任意売却支援協会

対処法はこれまでと同様、金融機関と相談しかありませんが、このタイミングで先の返済が困難であることが予測されるのであれば、このタイミングから任意売却も検討しても良いかもしれません。

■滞納期間:~8ヶ月 

起こり得ること:借入金融機関から「催告状」が届く
するべきこと:任意売却を検討する

法的手段一歩前の「催告状」

ここから一層金融期間からの通告が強くなります。これまでの「督促状」から「催告状」にグレードアップ。何が違うかと「法的手段に出ますよ」という本気の通告です。

因みに、クレジットカードや光熱費など各種支払義務が発生するものにおいても「催告状」じは存在します。

 

他商品・サービスでも十分重い知らせですが、住宅ローンにおける催告状は更にその上を行きます。

督促状とは、非常に危険な状態である方に送られる最終的な請求書だと思ってください。
そして催告書とは、これ以上の猶予を与えることが出来ないという旨が書かれている最終通告所だと思ってください。
当然ですが、督促状と比べて催告書のほうが文面も厳しく書かれており、指定の期日までに支払い条件を守れない場合には法的な処置へと移行するという内容になっています。

引用:あなたの現状について|任意売却のホームズ

催告書は住宅ローンにおけるターニングポイントと言って良いでしょう。そう、任意売却の検討時期が来たということです。

■滞納期間:~6ヶ月 

起こり得ること:借入金融機関から「期限の利益喪失」について記載された書類が届く
するべきこと:ローンの残高の一括返済、もしくはマイホームの売却(任意or競売

マイホームを手放さなければいけない段階に差し掛かった

「期限の利益の喪失」聞きなれない言葉ですね。一体どういう意味なのでしょうか。

「あらかじめ約束した期限ごとに約束の金額ずつを
返済すれば、残りの借入金はまだ返さなくてもよい」
という消費者の利益、これが「期限の利益」です。

ところが、住宅ローンの延滞が続くことによって
契約違反となり、住宅ローンを借りている消費者は
この利益を失うことになります。
これを「期限の利益の喪失」といいます。

引用:期限の利益の喪失通知が届いた|株式会社ライビックス住販

要するに、不動産の支払いに対して分割(ローン)払いする権利が無くなるということですね。
かつ、この書類が届いた時点で、あなたには下記3つ選択肢があります。

選択肢① 不動産ローンの残額を一括で支払う

→この通知が来た時点で恐らく支払い猶予は、残り数日でしょう。滞納している財務状況のあなたには到底厳しい話でしょう。

選択肢② マイホームの任意売却

→大半の人が選ぶのがこの選択肢でしょう。上手くいけば、借入金額より高い金額で売却出来る可能性も残されており、その後の生活に向けた準備がし易い選択肢と言えます。

選択肢③ マイホームの競売

→法の基による強制的執行です。市場価格よりぐっと売却価格が下がることが予想される為、オススメは出来ません。競売でマイホームが売却されたとしても、高確率でローンの残債が残る為、現在住んでいる家の立ち退きなども考えられます。

■滞納期間:~8ヶ月 

起こり得ること:借入金融機関から「代位弁済」について記載された通知が届く
するべきこと:保証会社に早急に連絡し、任意売却の判断を行う

競売を免れる最後の段階

住宅ローンを組む際に、団信(団体信用生命保険)に加入しているはずです。「代位弁済」とは加入した保証会社がローンの残債をあなたに代わって金融機関に返済してくれるシステムのことを指します。

建て替えてくれたとはいえ、債務は保証会社にあるままなので、あなたのローンは消えていません。あなたに残されている方法は、「任意売却」もしくは「競売」の2択。今後の生活を考えて、一秒でも早く任意売却のサポートを行う然るべき業者さんに相談を入れるべきでしょう。

この段階で何も手を打たなかった時点でTHE エンド。あなたの物件は、競売にかけられ、売却費用で補えなかった残債を背負って行くこととなります。

 金融期間からの連絡を軽く見ない

「一回くらい。。」「1ヶ月くらい。。」と軽く思いがちかもしれませんが、住宅ローンは信用情報の中でも最も重要ランクの信用情報です。あなたは守ることが出来るのはあなただけであり、一秒でも早い対応が自身を守ることとなります。

気が重いかもしれませんが、借入金融機関に対しての早急な連絡をオススメします。

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